Department of Dental Public Health

分野ニュース

2025/04

園や学校でのフッ化物洗口の費用対効果の論文が国際専門誌で出版されました。

幼稚園や保育園、小中学校などで行われる集団フッ化物洗口は、家庭の経済状況などに左右されずに子どもたちがむし歯予防の恩恵を受けられる方法です。そのためむし歯の健康格差を縮小する点からも注目され、行政の公衆衛生施策として厚生労働省から推奨の文書や数値目標が出されています。

WHO必須医薬品リスト2023ではフッ化物洗口が登録され、説明の中では日本での幼児から行われる集団フッ化物洗口が紹介されています。その紹介の中では『費用に関する情報はないが、このような方法は費用対効果が高いと考えられる。』と記されています。

そこで今回費用対効果の検証を行い、国のNDBオープンデータを用いた解析から、費用対効果の高さが示されました。今回の都道府県単位の限られた医療費データでの粗い分析でも費用対効果が確認されたことは、より詳細なデータを用いることで、先行研究に見られるようなより高い費用対効果が存在することを示唆してもいます。

論文情報

■論⽂情報
Tadokoro D, Honda K, Kusama T, Takeuchi K, Osaka K, Aida J. School-Based Fluoride Mouth-Rinse
Programs and Dental Caries Treatment Expenditure: An Ecological Study of the NDB Open Data Japan.
Community Dent Oral Epidemiol. 2024.

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/cdoe.13024