Department of Oral Health Promotion

分野ニュース

2024/05

乳幼児期における親との食器共有について

口腔衛生学会から「乳幼児期における親との食器共有について」の文章が出されています。

https://www.kokuhoken.or.jp/jsdh/statement/file/statement_20230901.pdf

 

これに関わった一人として、相田にもご取材をいただくことがあります。最近ですと下記になります。
https://sukusuku.tokyo-np.co.jp/hattatsu/85909/

 

ミュータンス菌が親から子に感染するのは事実ですが、
その研究が出て以降の約20年の間に、次のようなことが分かってきました。

 

 ・親からの口腔細菌感染は食器の共有の前から起こっている

 ・う蝕の原因菌は、ミュータンスレンサ球菌だけではない

 ・食器の共有に気を付けていても、子どものう蝕に差はなかった

 

私が学生時代には、歯が生えないとミュータンス菌は定着しないと習っていましたが、歯が生える前からミュータンス菌が検出されることを示した論文も出ています。赤ちゃんと親の距離は近く、日常のスキンシップによる口腔細菌の感染を100%防ぐのは難しようです。そしてミュータンス菌だけがむし歯の原因菌ではないというふうに学術的な常識も変わってきています。そのため、食器の共有を気を付けていたら絶対にむし歯にならないというわけではないのです。

 

親子で食生活や歯みがきを気を付け、フッ化物応用をしていくことが大切になります。フッ化物応用にはフッ化物配合歯磨剤や歯科医院でのフッ化物塗布があります。甘い飲み物を飲むのは日常的な習慣にしない方がいいでしょう。

 

フッ化物配合歯磨剤の使い方は、下記の4学会合同の推奨をご参照ください。

https://www.kokuhoken.or.jp/jsdh/news/2023/news_230303.pdf